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BUMP OF CHICKENがつむぐ詩の世界感とは

エンタメ

今年20周年を迎えた「BUMP OF CHICKEN(以下BUMP)」。20~30歳前後の方を中心に、10代や40歳以上の層まで非常に認知度が高く。幅広い層に人気を誇る、日本を代表するロックバンドです。その人気の秘密の一つはボーカル&ギター藤原基夫が紡ぎ出す歌詞の世界観にあります。今回はそんなBUMPの歌詞の魅力をご紹介していきたいと思います。

物語調歌詞




ライター名:吉成ライター
BUMPの歌詞には大きく分けて二種類あります。その一つが、バンド活動初期の頃に多く見られた物語調の歌詞。代表的なものは2ndアルバム「LIVING DEAD」に収録されている「K」でしょう。貧乏絵描きと嫌われ者の黒猫の出会いをテーマにしたこの曲は、有志によるFLASH作品や、コピーバンドの定番となった曲で、初期BUMPの人気の火付け役といっても過言ではありません。
また、ファンの中には同バンドに対して猫のイメージを持っている人が多く、この曲は大きな理由の一つと言えます。(その他に猫が主人公として描かれている作品には、1stアルバム「FLAME VAIN」収録の「ガラスのブルース」等があります。)物語調の歌が持つ魅力としては、歌詞の覚えやすさと、分かりやすさ。そして心を打つストーリー、があります。曲を聴くことで物語が頭の中に広がり、一本の映画を観るような感覚を味わうことができます。
よって(著作権法違反にはなりますが)映像やイラストをミックスした二次創作が作りやすく、これがバンドの認知度を高めるにあたって大きく影響したことは間違いありません。詩の書き方としては起こった事実をたんたんと語るもので、登場人物にとって悲しい出来事や、心の葛藤、セリフに至るまで、語り手の情を挟まず、一つのリアルとして描いています。事柄に対して作者がどう思ったかではなく、曲を聴いた人間に委ねるやり方はBUMPの曲全てにに共通したものといえます。

普遍的な悩みの解釈




もう一つ、BUMPの歌詞の特徴として物語調と対を成すのが「だれもが持つ普遍的な悩みや、当たり前すぎて気にしていなかった価値観」について書かれた詩です。こう書くと曖昧で非常に分かりづらいのですが、その曲の内容も比喩表現が多く、何を指して書かれているのか一言で説明できないものが多くあります。
比較的最近の作品によく見られ、代表的なものではアルバム「RAY」に収録されている「ray」が挙げられます。このタイプの曲に共通しているのは、「いま生きている」というテーマです。泣いたり笑ったり悩んだり、というのはその人が現在生きているという前提の上に成り立っています。しかし、生きることそのものに対してふと考えを広げてみたり、何のための生活なのかが整理できなくなる瞬間を、人をだれでも持っています。
そんな人が聴くと今まで難解だった歌詞が一つも絡まることなく、自分の中で綺麗に着地するのです。これらの曲は非常に柔軟で、解釈の仕方も聴く人によって千差万別です。泣く人もいれば笑う人もいます。それを「無数の解釈に耐えられる。曲に体力がある」と表現する人もいます。じっくりと聴き進めていく必要がありますが、理解するにつれ自分だけのものになっていく感覚になっていくでしょう。

曲が待つのは、リスナーに必要とされる瞬間

いかがでしたか。BUMPの歌詞についてもっと知りたくなったでしょうか。曲は必要とされない時でも、いつもリスナーに寄り添っています。そして、必要とされた時に最大限の力で私達の背中を押せるよう、万全を期してそばにいてくれています。もし今、出口が分からない悩みや、言葉であらわせない漠然とした不安を抱えているのでしたら、一度BUMP OF CHICKENの曲を聴いてみてはいかがでしょうか。

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