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無限ループの恐怖を描いた映画「タイム・トラベラーズ」をレビュー

エンタメ

ライター:asabatyou(http://asabatyou.blog.fc2.com/)

タイム・トラベラーズの基本情報

スタッフ
監督、脚本:イブ・メルキオール
原案:デヴィッド・L・ヒューイット、イブ・メルキオール
撮影:ヴィルモス・スィグモンド(クレジットでは、ウィリアム・ジグモンド)
音楽:リチャード・ラサール

キャスト
エリク・ヴォン・スタイナー博士:プレストン・フォスター
スティーヴ・コナーズ博士:フィリップ・キャリー
キャロル・ホワイト:メリー・アンダース
ヴァーノ博士:ジョン・ホイト
ダニー・マッキー:スティーヴ・フランケン
ウィラード:デニス・パトリック
技術者:フォレスト・J・アッカーマン
アンドロイド:モリー・グレッシング、ウェイン・アンダーソン(ノンクレジット)

タイム・トラベラーズのストーリー

タイム・スクリーンの実験をしていた4人の科学者が、2071年の未来に辿り着く。未来の映像を映すものだったはずのスクリーンは、まるで「ドラえもん」のどこでもドアのように、向こうの世界と通じていた。

そこは核戦争の影響で荒れ果てた世界となっており、さらに食料不足が原因で普通の人間とミュータントが対立していた。

何とか生き残った人々は、住みやすい惑星に移住する計画を立てていた。元の時代に戻る為の扉も潰れてしまい、帰れなくなってしまった主人公達は、一緒に連れてってくれと頼むが、招かれざる者な為、そんなスペースはないとそっけない答えをされる。

再びタイム・スクリーンを作るが、そこにミュータント達が襲い掛かってくる。宇宙船も破壊されてしまい、他に逃げ道がなくなった主人公と未来人達は、そのタイム・スクリーンへと逃げ込んだ。

これで安心かと思われたが、少し調整を間違えてしまった為、飛び出した時よりも前に戻ってしまった。彼らは時間の流れの外にいて、時間の止まった世界で動きが止まったままの主人公達がいた(つまり、動かない自分達を見ているという事)。

一行は機械に設定されている10万年後の世界へ旅立つが、その後再び時は動き出し…。

タイム・トラベラーズのレビュー

「巨大アメーバの惑星」や「原始獣レプティリカス(「冷凍凶獣の惨殺」や「原始獣レプティリカス 冷凍凶獣の惨殺」という表記もあり)などで有名な、イブ・メルキオール監督(イブ・メルキオーやイブ・メルキオァ、イブ・メルキョアーの表記もある)が脚本と原案も担当したSF映画。

H・G・ウェルズ氏の「タイム・マシン」の影響を受けたのか、現代と未来の世界を行ったり来たりするタイムトラベル物となっています。

日本では劇場公開される事はなく、テレビで「原始怪人対未来怪人」というタイトルで放送されましたが、ソフト版では原題をカタカナ表記した「タイム・トラベラーズ」になりました。

テレビ放送版のタイトルが何故こうなったのかは不明ですが、ひょっとしたら怪獣ブームの影響もあったかもしれません。

原始怪人とはミュータントの事なのですが、少しゾンビみたいな外見で、「北斗の拳」に登場する雑魚敵=ヒャッハー系が、怪物化したと言えば伝わるかもしれません。集団で登場しますが、未来人達が作ったロボット達を簡単に引き裂いてしまう程の強敵です。

未来怪人とはさっき言ったロボットの事で、アンドロイドと言われているシーンもあります。アンドロイドといっても、目以外の顔のパーツが何もない異様な姿をしており、一度見たら忘れられないインパクトがあります。このロボット達を、どうやって作っているのか分かるシーンもありますので、興味深いです。

さて見出しで「無限ループの恐怖」と書きましたが、これが本作の一番の見所と言えましょう。未来の世界で冒険(というより、ミュータントと未来人の戦いに巻き込まれただけと言った方が良いかもしれない)したのは良いけど、問題が起こって現代へ帰った。

だけどタイム・トラップにより、時間の流れの中に閉じ込められてしまった彼らは、永遠に同じ事を繰り返してしまうという、非常に後味の悪いエンディングとなっています。

メインとなっている未来世界が、主人公達の1人がギャグ担当キャラだったり、音楽も妙に明るい所があったりと、何となくコミカルな印象を与える事もあって、尚更絶望感があります。

同じ悪夢が繰り返されるというのは、菅原そうた氏原作の「みんなのトニオちゃん」にある、「5億年ボタン(本当は「アルバイト(BUTTON)」というタイトルらしいが)の原点と言えるかもしれません。

低予算な為か安っぽい雰囲気はあるものの、インパクトがあるアンドロイドや、ショッキングなラストもあって、中々楽しめます。

特撮もアンドロイドの頭をアンパンマンみたいに新しい物に変える時、一切編集せずノーカットでやったり、丸い物を一瞬で四角い物に変えたり、横になっている人をあっという間に消してしまうなど、手品のようでこちらも見ていて面白かったです。

備考: 参考サイト

タイム・トラベラーズ (映画) – Wikipedia.html
(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%99%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%82%BA_(%E6%98%A0%E7%94%BB)#.E3.82.B9.E3.82.BF.E3.83.83.E3.83.95)

The Time Travelers (1964) – IMDb.html
(http://www.imdb.com/title/tt0058659/)

「タイム・トラベラーズ」。。。|怒りくまのブログ(仮).html
(http://ameblo.jp/8haku5inukyuu/entry-12182619351.html)

Blog – タイム・トラベラーズ.html
(http://palladion.fantasia.to/step_blog/archive_94.htm)

トラウマ映画ベスト10.html
(http://palladion.fantasia.to/004-SF/005trauma01.html)

映画 タイム・トラベラーズ – allcinema.html
(http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=13842#1)

参考文献

あなたの知らない怪獣マル秘大百科 (映画秘宝COLLECTION)
(https://www.amazon.co.jp/%C3%A3%C2%81%E2%80%9A%C3%A3%C2%81%C2%AA%C3%A3%C2%81%C5%B8%C3%A3%C2%81%C2%AE%C3%A7%C5%B8%C2%A5%C3%A3%E2%80%9A%E2%80%B0%C3%A3%C2%81%C2%AA%C3%A3%C2%81%E2%80%9E%C3%A6%E2%82%AC%C2%AA%C3%A7%C2%8D%C2%A3%C3%A3%C6%92%C5%BE%C3%A3%C6%92%C2%AB%C3%A7%C2%A7%CB%9C%C3%A5%C2%A4%C2%A7%C3%A7%E2%84%A2%C2%BE%C3%A7%C2%A7%E2%80%98-%C3%A6%CB%9C%C2%A0%C3%A7%E2%80%9D%C2%BB%C3%A7%C2%A7%CB%9C%C3%A5%C2%AE%C2%9DCOLLECTION-%C3%A6%CB%9C%C2%A0%C3%A7%E2%80%9D%C2%BB%C3%A7%C2%A7%CB%9C%C3%A5%C2%AE%C2%9D%C3%A7%C2%B7%C2%A8%C3%A9%E2%80%BA%E2%80%A0%C3%A9%C6%92%C2%A8/dp/4896917340)

モンスターパニックReturns!―怪獣無法地帯 (Million mook―新映画宝庫)
(https://www.amazon.co.jp/%C3%A3%C6%92%C2%A2%C3%A3%C6%92%C2%B3%C3%A3%E2%80%9A%C2%B9%C3%A3%E2%80%9A%C2%BF%C3%A3%C6%92%C2%BC%C3%A3%C6%92%E2%80%98%C3%A3%C6%92%E2%80%B9%C3%A3%C6%92%C6%92%C3%A3%E2%80%9A%C2%AFReturns-%C3%A2%E2%82%AC%E2%80%A2%C3%A6%E2%82%AC%C2%AA%C3%A7%C2%8D%C2%A3%C3%A7%E2%80%9E%C2%A1%C3%A6%C2%B3%E2%80%A2%C3%A5%C5%93%C2%B0%C3%A5%C2%B8%C2%AF-Million-mook%C3%A2%E2%82%AC%E2%80%A2%C3%A6%E2%80%93%C2%B0%C3%A6%CB%9C%C2%A0%C3%A7%E2%80%9D%C2%BB%C3%A5%C2%AE%C2%9D%C3%A5%C2%BA%C2%AB/dp/4813007619)

モンスターメイカーズ―ハリウッド怪獣特撮史 (映画秘宝COLLECTION (12))
(https://www.amazon.co.jp/%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%82%BA%E2%80%95%E3%83%8F%E3%83%AA%E3%82%A6%E3%83%83%E3%83%89%E6%80%AA%E7%8D%A3%E7%89%B9%E6%92%AE%E5%8F%B2-%E6%98%A0%E7%94%BB%E7%A7%98%E5%AE%9DCOLLECTION-12-Studio28/dp/4896914244)

図説 モンスター―映画の空想生物たち (ふくろうの本)
(https://www.amazon.co.jp/%E5%9B%B3%E8%AA%AC-%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E2%80%95%E6%98%A0%E7%94%BB%E3%81%AE%E7%A9%BA%E6%83%B3%E7%94%9F%E7%89%A9%E3%81%9F%E3%81%A1-%E3%81%B5%E3%81%8F%E3%82%8D%E3%81%86%E3%81%AE%E6%9C%AC-%E7%9F%B3%E7%94%B0-%E4%B8%80/dp/4309726623)

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